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海上保安庁の2020年度予算の概算要求は19年度当初予算比13%増の2481億円となった。要求額としては3年連続で過去最高を更新。ヘリコプター搭載型巡視船2隻(72億円)や大型巡視船2隻(45億円)の増強を求めるほか、海難捜索や漁船監視に使用する大型無人航空機の飛行実証(9億7000万円)を盛り込んだ。定員は業務基盤の充実・強化を図るため、448人の増員を要求する。
海保庁は「海上保安体制強化に関する方針」に基づく体制強化として、580億円を計上。このうち尖閣諸島(沖縄県)の警備体制強化と、テロや災害などの大規模事案の同時発生に対応できる体制を整備するため、346億円を充てる。
20年度予算の新造巡視船は増強4隻、代替1隻の計5隻を求めた。
増強する巡視船4隻のうち、6000総トン級のヘリ搭載型巡視船2隻は3月に三菱重工業下関造船所(山口県下関市)で進水した「しゅんこう」の2、3番船。3500総トン級の大型巡視船1隻は三井E&S玉野艦船工場(岡山県玉野市)で同月に進水した「みやこ」の3番船に当たる。
いずれも23年の就役を予定する。また、耐航性と捜索監視能力に優れた1500総トン級の大型巡視船は22年の就役を目指している。
海洋監視体制の強化としては99億7000万円を要求した。新規事業の大型無人航空機に関しては具体的な機種は決まっておらず、まずは機体・スタッフ共に海外から借りて各種テストを実施する。併せて、新型ジェット機1機(56億円)、映像伝送機能強化(12億5000万円)も要求する。
このほか、海洋状況把握(MDA)の能力強化に向け、海洋状況表示システムの整備などを含め11億円を盛り込んだ。法の支配に基づく海洋秩序を維持するため、諸外国の海上保安機関と連携強化を図る目的で3億7000万円を計上した。
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