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海賊対処/民間軍事会社統制ルール、「IMOは条約作るべき」。グリフィス大リス博士
ソマリア沖アデン湾など海賊襲撃リスクの高い海域で利用の是非が問われているPMC(民間軍事会社)やPSC(民間警備会社)について、東京大学公共政策大学院海洋政策教育研究ユニットが、海上安全問題に詳しいグリフィス大学(オーストラリア)のカロリン・リス博士を招きセミナーを開催。PMCなどの実態について、リス博士は「非常に少ない人手で立ち上げが可能。8年程度も同じ企業名で存続した例はなく、名前だけが変わって同じ人間が経営しているようなことがままある」などと不透明な点を指摘。「船主などからの依頼を受けると、その都度派遣できる人間を雇う仕組みになっている。その結果、派遣されてくる人がどんな経歴の持ち主か、海事関係の経歴があるかどうかなどは全く分からない」と、利用に伴うリスクの高さを挙げた。こうした業態がまかり通っている原因は「国連貿易開発会議(UNCTAD)、ILO(国際労働機関)、IMO(国際海事機関)と3つの国際機関による統制があり得るが、いずれもPMCなどを扱っているところがないミッシングリンクの状態」にあるとした上で、外航船舶の特殊性などに対応する必要性から「IMOは少なくとも統一の条約や共通規則を作るべき立場にある」とした。同氏は船舶の旗国やPMCなどの所在国にも、PMCなどの統制に責任があるとする意見を紹介する一方で、旗国については「こうした問題に関心がない旗国もあるし、関心があって法律を作っても、予算と人手がなくては実効的な管理は実現しない」と指摘。所在国についても「南アフリカなどが取り組んでいるが、PMCなどの活動域は海上であり、統制は不可能」として、実効的な介入は期待できないとした。
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