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船協、経団連/公的ガードを要望。海賊対策、日本籍船に乗船
日本船主協会が、ソマリア沖を中心とする海賊問題への政府の追加的対策として、自衛官、海上保安官らが危険海域を航行する日本籍の商船に乗り組んで警備に当たる「公的ガード(警備要員)」の導入実現を求める要望書を同日までに関係省庁に提出したと発表。日本経済団体連合会も同日公表の提言の中で、補給艦の派遣と合わせ公的ガードの必要性に言及。海運業界の要望に呼応している。船協要望の提出先は内閣官房長官、国土交通相(兼海洋政策担当相)、防衛相、外務相、海上保安庁長官ら5者。要望では、各国が軍隊など公的武装ガードの乗船や、自国商船への民間武装ガードの乗船容認などの対応により、海賊に対する威嚇射撃などの効果的な対策が可能になっていると指摘。これまで武装ガードそのものに慎重だった国際的な船主団体や船員団体も、公的武装ガードを中心に容認する方向に転じているとして、日本でも自衛官、海上保安官による日本籍船の公的武装ガードの乗船が実現されるよう求めている。同日の提言で船協に協調した経団連では、9月中に船協に対して行った海賊問題のヒアリング内容を基に、公的警備の実現、補給艦の派遣のほか、海賊の根城となっているソマリアの安定化のための支援、海賊に対応した国際司法制度の整備なども併せて求めている。同ヒアリングの際には海運の荷主業界として日本自動車工業会、石油連盟、日本貿易会にも聞き取りが行われており、経団連提言は「資源やエネルギーの輸入、自動車や機械・電機など主要産業の輸出、さらには経済に対して大きな脅威となっている」と、海賊問題が海運業界内にとどまらない大課題であることを強調。ソマリア沖を中心とする海賊問題では、アデン湾付近の厳戒態勢を嫌った海賊がインド洋ほか広域に活動を広げたことで、各国艦船による警備の手薄な海域での被害が相次いでいる。このため、一部の国では軍人、警察官らに乗船警備をさせる公的武装ガードを導入しているほか、商船側の自衛手段の延長として、武装した民間警備員を乗船させる方法を認めているが、日本籍船の場合は銃刀法の規制により民間人が武装して警備に当たることは不可能と解釈されている。
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