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船協/海賊襲撃拡大に危機感、「安全回廊外」護衛を政府へ要請
日本船主協会は4月30日までに、国土交通省、防衛省、外務省、首相官邸に対し、政府がソマリア沖アデン湾で実施している海賊対処活動の拡充を要請。加盟社運航の船舶がアラビア海近辺で4月中2度の襲撃を受けるなど、船協ではアデン湾東方沖を中心とした海賊発生海域の拡大傾向に危機感を強めており、要望書では各国艦船が警備を行う「安全回廊」外にも護衛活動を広げることが必要不可欠と訴えている。現在、海上自衛隊の護衛艦が船団護衛を行っているのはアデン湾に展開する有志連合軍が「安全回廊」に設定するソマリア北方沖の帯状の海域内だけ。これまで海自による護衛を受けた船舶828隻(4月27日時点)のうち襲撃を受けた船は1隻も出ておらず、護衛の有効性が示されている。その一方で、安全回廊を東部に抜けた海域やペルシャ湾からインド洋に至るルートなどアラビア海の周辺、ソマリア南東部のセーシェル沖などソマリア周辺の広い海域では日本関係船も含め襲撃や不審船による追跡事件が多発。「各国海軍による警備が厳重になり、海賊が襲撃しやすい海域に足を伸ばしている」(外務省海上安全保障政策室)ため。船協は要望書でアラビア海での監視・哨戒活動の強化など護衛範囲の拡大に加え「同時に護衛頻度を高めることが同海域を航行する船舶の安全確保に必要不可欠」として範囲・頻度双方の充実を希望。国際社会や沿岸諸国への働き掛けなど「あらゆる対策」を早急に講じることを求めた。現在、直接的な船団護衛のために日本が派遣しているのは護衛艦2隻による1チーム。船団を構成することによる船速の制約があるのに加え、安全回廊を2往復するごとに補給のため拠点のジブチに寄港しなければならず、商船側のスケジュール的なニーズには応え切れていない状況で、「やむなく護衛なしで安全回廊を突っ切る判断を迫られることもある」(船社関係者)という。護衛艦の増派が無理でも、護衛の活動効率を高める補給艦を派遣できないかとの意見もある。
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