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IMO60周年記念専門家会合/ソマリア海賊対策でアジア各国、IMOの積極的役割に期待
「ソマリア周辺海域の海賊問題でIMO(国際海事機関)はさらに積極的な役割を果たすべきだ。と、都内で開催されたIMO60周年記念会合で、アジア諸国の海事行政当局担当者、日本の海運・造船業界団体が参加したパネルディスカッションの中で、同海域での海賊頻発に強い懸念が示されるとともに、解決に向けて、グローバルな対応と、IMOがこれをリードする必要性が示された。ソマリア周辺海域の海賊問題に対して、IMOのミトロプロス事務局長が潘基文国連事務総長に要請するなどした結果、6月と今月7日に国連安保理決議が採択されている。日本船主協会を代表して日本郵船の常務経営委員は「IMOが働き掛け決議が出されたことは喜ばしい。しかし、一向に海賊行為は衰えず、(今年)ハイジャックされた22隻のうち半数がアジア船主の船」と憂慮。「個別の国が出張って行くことは難しい。IMOのイニシアティブでセキュリティを保つよう、国連など世界中の組織をオーガナイズしてほしい」とIMOが世論をリードし、早急な対策を求めた。シンガポール海事港湾庁長官は「(海賊対策は)1つの国や機関のみが行うものではない。安保理決議が採択されたが、さらなる行動が必要。国連レベルでの何らかの展開、国際的なアプローチが必要。IMOとしてどのような動きが取れるか考えるべき」と語った。また、同長官はアジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)の効果としてマラッカ・シンガポール海峡(マ・シ海峡)の海賊・武装強盗件数が減少してきたとして、「(ソマリア周辺の)海賊対策の良い例になるのでは」と指摘。国土交通省海事局長は、マ・シ海峡の事件数が沿岸国の努力、日本を含む海峡利用国の協力、IMOの貢献で減少しているとして、「この実績をソマリアの海賊対応にも活用できないか。中長期的にIMOに重要な役割を果たしてもらうことが重要。関係国の直接的な関与を後押しする動きを期待する」と語った。韓国国土海洋部物流港湾室海事安全対策官は「海賊事件が起こった際にIMOがコーディネーターとなり、事件発生状況の報告を受けて関係当局と調査・分析することも必要」とのアイデアを提示し、IMOのさらなる積極的な関与が必要とした。フィリピン運輸通信省海上交通担当次官は乗組み船員の多くがフィリピン人であることから、海賊事件の続発に懸念と遺憾の意を示し、「まだ人質になったままの船員もいる。IMOによる断固たる行動を示してほしい。グローバルな対応が必要」と要請。また、同国海外雇用庁によるアデン湾内の高リスク区域設定について紹介。
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