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FRONTEX(欧州域外国境管理協力局)/欧州海上国境監視強化へEPN新規立上げ(欧州国境パトロール・ネットワーク)
EU情報筋によると、EUの国境管理運用協力の機関であるFRONTEX(欧州域外国境管理協力局、本部ワルシャワ)が、海上国境を監視するEPN(欧州国境パトロール・ネットワーク European Border Patrols Network) を立ち上げた模様。EPNの目的は、EUの地中海と大西洋南西沿岸部での不法移民の防止及び海上での緊急事態の発見、人命損失の減少。EPNは、EU加盟国の南部海域の国境を監視する当局間の、緊密かつ費用効果の高い協力を促進すると見込まれている仕組みとされる。また、増加する不法移民に対するEUの対応策でもある。同パトロール・ネットワークは、相互信頼を高め、定期的に関連情報を交換する体制を構築し、EU加盟国間の協力体勢を整備する目的。また、同時に、利用可能な資源をより効率的に用いることにより、シナジー効果を生み、経済効果も見込まれているとされる。最終的には、同ネットワークをより効果的にするべく、EU外の関連諸国の直接的な関与をも視野に入れている模様。EUでは、域内の海上国境の共同管理を強化するとの目的の下、加盟国間の協力や情報交換を促進させるため、本機関の設立を計画しており、変化するニーズに柔軟に対応できるような負担共有を中心とした柔軟な新体制が採用されている。同ネットワークにより、ポルトガル、スペイン、フランス、イタリア、スロベニア、マルタ、ギリシャ、キプロス等の大西洋南西沿岸及び、地中海沿岸のEU加盟国が、一定の海上区域の監視を含む、特定業務実施のための総体的計画を構築することが可能となる。さらに、他加盟国との立案・運用面での協力に留まらず、国内間の調整を担当するNCC(国家調整センター National Co-ordinationCentre)の設置が求められる為、国内の国境管理関係当局間の協力や情報交換も強化されるという。当分の間、EPNに参加するEU加盟国は、2007 年始めにFRONTEX(欧州域外国境管理協力局) に導入されたCRATE(Centralised Record of Available TechnicalEquipment: 別名「toolbox」)を使用しない。これは、FRONTEX と関係EU加盟国間での合意が署名されていないことが理由。各EU加盟国は、各国の資材を利用することとなるとされる。EPNの構築は、ニ段階となる予定で、第一段階では、地中海や大西洋沿岸海域をカバーするEU加盟国のパトロールをベースとする模様。同パトロールは、FRONTEXと共同で、計画、調整、実施され、運用面では、パトロールの重複を排除し、運用情報の効率的共有を可能とし、費用効果も見込まれる。第ニ段階では、NCCの構築や参加EU加盟国間での協力・協調体制の強化による進展を予定している模様。これにより、FRONTEX 及びEU加盟国が共同で実施するEPNの活動が、沿岸海域に加えて、沖合海域でも常時確保される予定。さらに、同システムは、EU南方海域の国境にも適用される予定で、EUの海上国境全体を包括するシステムが構築されることとなる模様
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