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2006年08月24日 お知らせ

門司海保/正規の船員手帳での密入国立件

門司海保/正規の船員手帳での密入国立件
正規の船員手帳で密入国したり、船員として密入国を手助けしたりしたとして、門司海上保安部(北九州市)が中国人12人を入管法違反の疑いで逮捕していたことが判明。正規の船員手帳を持った密入国者を摘発したのは全国で3例目。今回は船員全員が密入国に加担した悪質なケースで、同海保と県警は新たな密航の手口として警戒を強める一方、背後に大がかりな密航組織があるとみて、23日までに同容疑で兵庫県と神奈川県の関係個所の捜索令状をとり、近く強制捜査に乗り出す方針。門司海保などによると、グルジア船籍の貨物船ペンシャン号で、12人のうち8人は正規の船員で、密入国者4人を手助けしていた。4人は実在する人物の船員手帳の写真を張り替えて船員になりすましていた。船は6月9日に中国山東省を出港。同13日、日本の領海内に入る際に義務化されている24時間前通報をしていたにもかかわらず、通報時間より早く領海内に入ってきたことから立入検査を実施。船員手帳の写真が張り替えられた疑いがあることから、海上保安試験研究センターに鑑定を依頼し、写真が張り替えられていたことが判明。「一見しただけでは見破るのが困難なほど精巧だった」(海保幹部)という。12人は入管法違反(不法入国と密航者助長)容疑で逮捕、起訴され、9月に福岡地裁小倉支部で初公判が開かれる。同様のケースとしては2月に若松海保が北九州市八幡西区に入港したパナマ船籍の貨物船で、正規の船員手帳を所持していた7人と船員7人ら中国人計15人を入管法違反容疑で逮捕している。このケースでは、船員手帳を持っていた中国人は「家族に裕福な暮らしをさせるために密航した」「2、3年で200万円ほど稼いで帰国するつもりだった」などと供述。密航費用は「中国の組織に密航が成功した後で、家族などに頼んで15万~18万元(約2225万~270万円)を支払う約束だった」などと話しているという。 船員7人は密航を手助けした見返りに報酬を受け取る予定だったといい、「密航を貿易船のサイドビジネスにしていた可能性が高い」(海保幹部)としている。

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