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ICC海事局発表/09年海賊件数4割増の406件
国際商業会議所(ICC)海事局(IMB)は、2009年の海賊・略奪事件数が前年の293件に比べ39%増の406件になり、3年連続で増加したと発表。合計153隻に海賊が乗り込み、49人がシージャックされ、84人が襲われた。発砲されたのは120人で、1,052人の乗組員が人質にとられた。負傷者は68人、殺害されたのは8人。発砲を受けた船舶は08年より74隻増加、負傷者数、死亡者数はいずれも上昇。IMBの局長は「船舶・乗組員に対する事件の増加と暴力は深刻。海賊件数を抑え、人命と財産への危機を減らすには、政府と諸機関の対応の強化が必要だ」と指摘。激増の主因は、海賊事件の半数以上を占めるソマリア沖合での増加。09年のソマリア海賊事件は217件で、47隻がシージャックされ、867人が人質にとられた。ソマリア海賊は入念な計画に欠け、思いつきの行動をとることが特徴だが、同水域を航行する船長の意識向上、敢然とした行動、各国の海軍派遣の相乗効果などで、未遂事件が多かった。同局長は「各国海軍はソマリアの海賊阻止に大きな役割を果たしており、今後もにらみを利かすことが大事」とコメント。ソマリア沖合の海賊件数は依然多いが、発生水域に変化があった。08年は被害の大部分がアデン湾に集中していたが、09年第4四半期はソマリア東岸水域が標的にされた。同年10月以降、ソマリアの首都モガディシオから約1,000キロ離れたインド洋水域で13件のシージャックを含む33件が報告された。海賊船は捜査探知を回避するため、漁船やダウ(インド洋などの沿海貿易帆船)を装うという。ほかのアフリカ水域も危険な状況が続き、ナイジェリアでは昨年28件が報告(乗り込み21隻、発砲3隻、シージャック1隻、未遂3隻)された。アフリカ水域以外でも海賊事件の増加が報告され、シンガポール海峡は08年の6件に対して09年が9件(乗り込み6隻、未遂3隻)と2年連続で増加。南シナ海の海賊事件は過去5年で最多の13件。東南アジアと極東水域で安全性とセキュリティーが著しく改善されたが、まだ楽観できず、沿岸諸国は監視船を常時巡回させ、海賊への圧力を強めるべきだと指摘。このほか、インドネシアは09年に15件が発生。マラッカ海峡の海賊活動は2件だけで2年連続で減少。バングラデシュは17件、南米の海賊事件は08年の14件から37件に急増。IMBは船長と船主に対し、未遂も含めて海賊事件の発生、武装強奪のすべてを同局の海賊報告センター(PRC)に報告するよう強く要望している。
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