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アデン湾の船舶保険料/被害増加も現状維持。「損傷なく」
ソマリア沖のアデン湾で海賊被害が多発しているが、一方で船舶保険料は現状を維持している。通常、戦争や動乱地域など事故発生率の高い水域では損害保険会社の船舶保険料が割り増しされることが多い。アデン湾では人質被害が多く「船体そのものに損傷はない」(船舶保険関係者)ことが理由となっている模様だ。船舶保険は損害保険会社-海運間が結ぶ保険契約。損保各社はアンダーライターと呼ばれるロンドンの保険引受人の危険水域指定などを参考に保険料の割り増しなどを決定する。今年に入り4月には日本郵船の大型原油タンカー「高山」などがアデン湾で武装勢力に襲撃されるなど同水域では海賊被害が増加している。アンダーライターは6月、アデン湾を通常の船舶戦争保険では対応できないとして、「適用除外」地域に指定。海運会社に事前の通航連絡や保険料の割り増しが必要な地域とみなした。ただし、アンダーライターの指定はあくまで参考であり、損保各社-海運間の契約を拘束はしない。このため、現状では人質事件は多いものの、船体自体の損傷事故は少ないとして「損害保険料の割り増しなどは見送られている」(海運会社)という。アデン湾はスエズ運河に通じる交通の要衝。仮に保険料が割り増しされると「邦船1社当たり相当の負担増となる」(同)。一方で人質事件が多発していることから一部の海外保険会社が「身代金保険」を取り扱い始めており、同保険は「掛け金が高騰している」(保険関係者)という。
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