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国交省発表/飯野運航ケミカル船、南シナ海で海賊被害。ASF、各国政府に対策要請
国土交通省が、5日午前、インドネシアのアナンバス諸島沖で飯野海運が運航するケミカルタンカー「CHEMROAD LUNA」(パナマ籍、約2万総トン)が刃物を持った強盗に乗り込まれ、現金などを奪われたと発表。ソマリア沖での大掛かりな海賊行為が警戒される一方、南シナ海付近で散発する海賊事件も根が深い問題となっている。シンガポールに事務所を置くアジア船主フォーラム(ASF)の事務局長によると、アナンバス諸島周辺の海域では「傾向として襲撃件数が急激に増えているわけではない」ものの、治安は不安定で、8月後半にも4件の襲撃事件が立て続けに起きている。多くは刃物を持っている程度の「こそ泥」レベルだが、周辺海域は各国領海と公海が入り組んでいるために沿岸国の海上保安機関による沖合での取り締まりが難しい。不審船の情報も各国で取り扱いが異なり、統計上の数値も実態上の増減を反映していない可能性もあるという。ASFではシンガポール船主協会と協力し、各国政府に対して「せめて投錨中に襲撃を受けないよう港湾内での警備には力を入れてほしい」と要請を重ねているという。
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