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中東情勢の緊張の高まりを踏まえ、国際船員労使はホルムズ海峡周辺の海域を拡張リスクゾーン(エクステンデッド・リスクゾーン)に指定した。
時限的な措置だが、同エリア内を航行する際、船員にはボーナスと2倍の死亡・障害補償を受ける権利が生じる。
国際運輸労連(ITF)と国際船員雇用者合同交渉団(JNG)の国際船員労使が開いたIBF(国際団体交渉協議会)で決定した。
ITFが13日に発表した。
今回IBFで指定したエクステンデッド・リスクゾーンの範囲は、西側がイランのラス・ダスタカン(北緯26度33分-東経55度17分)から南方のアラブ首長国連邦(UAE)のジャスタルハルマ灯台(北緯25度44分-東経55度48分)を結ぶ線(ペルシャ湾が共通限界線)。
東側がオマーンのラスリマ(北緯25度57分-東経56度28分)から東方のイランのラスアルクハ(北緯25度48分-東経57度18分)を結ぶ線(アラビア海が共通限界線)。
エクステンデッド・リスクゾーンの設定を受け、JNGの赤峯浩一議長(国際船員労務協会会長)は「5、6月のオマーン湾での攻撃を受け、迅速にリスク領域を指定する必要性を感じられたかもしれない。
だが、こうした事態には、一歩引いて実際の脅威と適切な対策を見定めることが重要だ。
今回、ホルムズ海峡を航行する船員の不安を払拭(ふっしょく)するリスクゾーンを導入できたと確信している」とコメント。
ITF船員部会のデイブ・ハインデル議長は「潜在的にはタンカーと英国籍船だけが影響を受けていると思われる。
だが、同海域を航行する船員の不安を解消するためにIBFがリーダーシップを発揮し、迅速に動くことがわれわれの願いでもあった」と指摘する。
その上で、JNGの協力に謝意を表するとともに、同海域で拘束されている船員の解放を引き続き求めていく方針を示した。
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